【原川浩明・秋葉陽司・丸川敬之出演舞台】あやめ十八番 第十六回公演「雑種 小夜の月」夏の劇場13 日本劇作家協会プログラム(加納幸和・美斉津恵友ゲスト出演)

公演概要

公演期間
2024/08/10 (土) ~ 2024/08/18 (日)

脚本・演出
堀越涼(あやめ十八番)

出演
堀越涼
大森茉利子
金子侑加
中野亜美
(以上、あやめ十八番)

秋葉陽司(花組芝居)
井上啓子
内田靖子
梅澤裕介(梅棒)
小口ふみか
川田希
蓮見のりこ
福圓美里
松浦康太(シタチノ)
山本周平(新宿公社)
佐藤つむぎ

原川浩明(花組芝居)

【音楽】
吉田能(あやめ十八番)
池田海人
丸川敬之(花組芝居)
中條日菜子

日替わりゲスト
10夜:木原実・木原実優
11昼:山崎バニラ
11夜:加納幸和(花組芝居)
12昼:松崎史也
12夜:松島庄汰
14昼:藤原祐規(アミュレート)
15昼:浜端ヨウヘイ
16夜:片岡一郎
17昼:吉川純広・融羽子
17夜:橘花梨
18昼:美斉津恵友(花組芝居)

スタッフ
音楽監督:吉田能(あやめ十八番)
舞台監督:土居歩
照明:南香織(LICHT-ER)
音響:田中亮大(Paddy Field)
美術:久保田悠人
衣装:あやめ十八番
宣伝美術:吉田能
写真撮影:下田直樹
パンフレットデザイン:荒川久忠
映像撮影:舞台映像COLORS
演出助手:岩狹舜
稽古場代役:熊野善啓、河西美季
制作協力:大森晴香(ABC&SET)
主催・企画・製作:あやめ十八番

あらすじ

私の家はお団子屋さんです。
返田神宮という、わりと大きな神宮の参道で『小堀屋』という名のお団子屋さんを営んでいます。
五人家族全員で、お団子を売って暮らしています。参拝にくる、観光客の皆さんに、お団子を売って暮らしています。
お父さん、お母さんが団子を作り、出来た団子を蜜(みつ)姉と白(ゆき)姉が丸め、私が外で売り子をします。
この辺りは、雑誌に載るような観光地ではないけれど、家族が食べていくには十分で、日々の天気に一喜一憂しながら五人、可愛く商いしています。

高校を卒業して、店を手伝い始めて、あっという間に八年が経ちました。
うちはのんびりした家ですが、八年もあれば、なんもかんも変わっていきます。
白姉は生まれて初めて、蜜姉は通算二度目のお嫁に行って、私の部屋は繰り上がりで、少し広くなりました。小堀家きっての暴れん坊だった白姉は、今じゃすっかりお母さんで、暴れん坊の称号は娘の水樹ちゃんが受け継ぎました。
五人で夕飯を囲むことは、今じゃあんまりないけれど、昼間はみんなでやいのやいの言いながら、変わらず商いしています。

普段は飲食店用の白衣ばっかり着ているけれど、今夜はみんなで久しぶりに黒を着なくちゃなりません。
“裏の小父(おん)ちゃん”の、お通夜にみんなで行くんです。

裏の小父ちゃんの家は、神宮の駐車場の裏の急な坂を上ってった先にあって、小父ちゃんはそこで十匹の猫と一緒に暮らしていました。
小父ちゃんは昔、神主さんをやっていたそうで、この辺りの人はみんな、困ったことがあると小父ちゃんに相談に行ったそうです。

小父ちゃんが亡くなった後、お母さんはすぐに猫の引き取り手に名乗りを上げました。
そういう人は他にも大勢居たらしく、お母さんはその中でも、わざわざ一番年寄りの、お腹のとこに腫瘍のある、お婆ちゃん猫を引き取りました。
お父さんが猫アレルギーなのに、何でウチが引き取るの?と聞くと、昔、お世話になったからって。

お母さんは、それから色々教えてくれました。
三十五年前、お父さんとお母さんが、駆け落ちをしたこと。二人を匿ってくれたのが、裏の小父ちゃんであったこと。
この猫はその頃から小父ちゃんの家に居て、今は化け猫で間違いないってこと。

『雑種 小夜の月』は、裏の小父ちゃんと化け猫と、お父さんお母さんの徒歩五分の駆け落ちのお話です。

小堀 綺(あや)

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